こんにちは、いっちーです!
今日は、「うつ病という病気」についてシェアさせてもらいたいと思います。
今までずっと精神科やメンタルヘルスに縁などなかったのに、会社のストレスや家庭のトラブルなどで、急に気持ちが落ち込んだり、ずっとツラい気分が続いてしまう。
そんなときはうつ病という”病気”にあなたは罹患しているのかもしれません。
「もしかしたら自分はうつ病なんじゃないかな?」と感じた人や、家族、友人などさまざまな人がうつ病と関わる可能性がありますので、今日はうつ病という”病気”そのものについてシェアしたいと思います。
それではよろしくお願いします。
「気持ちが落ち込んでうつっぽい…」はうつ病なの?
さて、うつ病についてシェアする前に、ひとつ確認したいことがあります。
もしかして、
『うつ病は気持ちが落ち込む病気』と思ってませんか?
残念ながら、それは間違いです。
「おいおい、何言ってんだよいっちー(笑)。うつ病は気持ちが落ち込む病気ってテレビでも言ってるじゃん」
そう思われたかもしれませんが、残念ながら、違うのです。
なぜなら、気持ちが落ち込んだり、悲しい、ツラいといった感情の変化は人間として当たり前の心の動きで、落ち込んだり気落ちするだけならば、他の精神疾患やなんなら健常人、思春期の中学生なんかでもたびたび見られる現象だからです。
例えば、この文章を読んでいるあなたにも「気持ちが落ち込んでやばかった」「あのときはほんとに死ぬかと思った」という、気持ちが落ち込む出来事はあったと思います。
ですが、そのときのあなたはうつ病だったのでしょうか?
確かに、うつ病では気分の落ち込みといった抑うつ状態が持続することはあります。ですが、それだけではうつ病という病気の”診断の基準”は満たさないのです。
気持ちが落ち込む病気といえば、双極性障害や適応障害、PTSDや認知症などさまざまな精神疾患でも見られます。
もっと言うならば、ケガをしたり、事故に遭ったり、失恋したり、破産したりと、気持ちが落ち込むイベントだけでも、大きく落ち込むことってあるでしょう?
これらの気持ちの落ち込みとうつ病はどう違うんでしょう?
そうです、うつ病は気持ちが落ち込む”だけ”の病気ではないのです。
うつ病と診断されるには
日本における5大疾病は、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、そして精神疾患と言われます。
精神疾患と一括りにされていますが、その中で最も一般的なものは、やはり気分障害の中のうつ病でしょう。
私たち精神科医は、そんなうつ病を診断するために診断のためのマニュアルを用いますが、そこでは必ず気持ちの落ち込みとともに、興味や喜びの喪失が見られると書かれています。
それ以外にもいくつかの症状として、以下が挙げられます。
(1)抑うつ
(2)興味または喜びの喪失
(3)体重の変化
(4)睡眠障害
(5)ソワソワした焦燥感
(6)疲労感や気力の減退
(7)無価値観、不適切な強い罪悪感・罪責感
(8)思考力や集中力の低下
(9)死についての反復思考、自殺企図
少なくとも2週間以上、これらの症状が複数持続していることでうつ病という病気と診断されるものなのです。
※ただし、超急性期などで命に危険が及ぶ場面などでは、持続期間の前にうつ病として緊急治療をされる場合もあります。
だから、表面的にはいつもイライラして落ち着きないうつ病の人もいれば、ぼーっとしてあまり感情を出さないうつ病ということもあるのです。
もちろんふつうに考えられているように、なんとなくうつっぽい気持ちの落ち込みが見られる状態からほんとにうつ病になるような方もいますが、それでも色々なことへの興味の減退や、睡眠障害、食欲の減退などの
生きる上で人間として備わっている”欲求の減退”
といった、特徴的な症状が見られるのも、うつ病の特徴なのです。
どうして”病名”が大事なのか
「うつ病がどうとか診断基準はわかったけど、それが何か関係あるの?」
じつは大きく関係あるのです。
なぜなら、これらの診断基準を無視して「うつ病と自己診断」してしまい本当にうつ病っぽくなってしまったり、本当はべつの疾患なのにうつ病と決めつけられることで治療がうまく行かなくなってしまうことがあるのです。
例えば、アルコール依存症でもうつ病のように気持ちの落ち込みが見られることがあります。
でも、アルコール依存症と思われたくなくって、アルコールのことは伏せているとうつ病と診断されてしまい、治療がうまくいかなくなってしまいます。
このように、本当はべつの病気なのに、気持ちの落ち込みだけに注目して、うつ病と誤診されてしまう可能性もあるのです。
だから診断は時間がかかるかもしれませんが、きちんと行うべきですし、実際に臨床でも、何年もうつ病と診断されたけど、なかなか治療がうまくいかず、じつはべつの病気でした。
なんて話はよくあります。
うつ病は気持ちの落ち込みと生理的欲求の減退が、一定時間以上持続した際に診断されるものです。
それだけ覚えてもらって、もしうつ病の治療がうまくいかないとき、あるいは何年も治療がうまくいっていない人から相談を受けたときには、「本当にうつ病なのか?」「他に原因はないのか?」と、一緒に悩みや苦しみを共感してあげること、それが最も大切な、心を支えるための技術なのです。
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これからも、お付き合いいただけましたら幸いです。
いっちーでした。